「ありがとな、早川」 真正面から早川を見てみる。 肩ほどまでの焦げ茶色の髪が、少し出てきた夕日に照らされて、オレンジ色に輝く。 「……問題は、剣ちゃんなんだけどね」 困ったように、だけど、嬉しそうに笑ってみせる。 「架月くん。剣ちゃんを傷つけたり、泣かせたりしたら、絶対に許さないから」 「ああ、分かった。約束する」 そう言った後で、思い出す。 ……ゴメン、早川。 もうすでに1回泣かせてた。