教員が、慌てた様子で生徒である俺らを、さっさと体育館の外に出そうとする。



「早く外に出らんか!!」



榊の演説…と言うよりも、公開告白みたいなものを見たからか、やけに教員たちが大きな声で怒鳴っている。



馬鹿馬鹿しい。

お前らに言われなくても、こんな居心地の悪い所からさっさと出るに決まっている。



「玲佳!」



後ろから、聴き飽きた壮紀の声がした。



「玲佳、どうすんだよ?」

「何が」

「何がって……。剣ちゃんの事だろ」

「ああ……」




考えたくもない。





今はもう、その事については、考えたくない。