「嫌か?」
妙に低く囁かれたその言葉。
ただでさえ、された事の無い、お姫様抱っこをされているのに。
お姫様抱っこのまま、こんな事言われると、恥ずかしすぎる……!
「満原?」
「……狂う」
「は?」
こんな甘ったるいシチュエーション、いくら考えても無理だ。
私には、こういう時のためのスキルなんて、一つも無い。
「調子狂う!架月にそんな事言われたら、調子狂うからそんな事言わないで!」
「何それ」
「私が……、もういい」
ああ、もうイヤ。
何で私、こうなの?
自分の性格とスキルの無さに、呆れてしまう。


