でも言うなら今しかない!

せっかく出来たチャンスを逃す訳にはいかない!


そう思った瞬間


『神様がくれた最後のチャンスだと思った…』


ふっとサエの言葉が頭を過った。


あぁ、そうだ…これは俺にとって最後かもしれないんだ。


…よしっ!


グッと拳を握りしめて今度は大きく息を吸って吐いた。


「彩花さん…」


「…なに?」


俺の様子に不安そうな表情を浮かべる。


「俺…初めて会った時から…」


緊張が最高潮に達した時、ふと空に月が出ているのが俺の目に入った…。


それもまん丸い綺麗な満月


同時にあの日、彩花さんと聞いたあの歌が一気に頭に流れ込んできた。