ズザァァ────ッ…!! 『わぁー…っ!』 孝太が勢いよく地面に倒れる音と共に それぞれの感情を持った声が 校庭いっぱいに広がる その瞬間、 あたしの体は無意識に反応していて 気付いた時には ─…風を切って走っていた。 『ハァ…ハァ…ッ!ハァ…』 自分の息遣いだけが 聴覚を支配した。 他には何も、聞こえない。無音。 .