シャーペンと君とあたし




「忘れる、訳ないじゃん…」


忘れ…られる訳、ないじゃん…


視界がボヤけて、瞳に溜まっていた涙が、スッと頬を伝う。




2年半が経った今でも、

あたしの心は、俊でいっぱいだよ。



─…俊しか、いないの






『…帰ってくる?』


って、問いかけたあたしに


『当たり前だろ。』


そうやって答えたクセに…




「ウソ、つき…」


帰ってくるなんて嘘じゃん。




シャーペンを自分の顔に、擦り寄せる。


涙が、後から後から溢れて止まらない。




「しゅ…んの…バカ…」



会いたい。


会いたいよ。




俊に、会いたい…っ