「笑って、笑ってよ」
「ん?何が?」
友達は、ひたすら私をせかす。
「ほらー、小学校最後の日なんだからさっ」
そう。
今日は、卒業式。
友達は、中学校に行くのが楽しみで仕方ないらしく、テンションが高い。
「上手く、笑えん」
私は、無愛想。
だから、作り笑顔はできない。
だから、写真は苦手。
「悠子っ!笑いなさい。」
お母さんまで、はいってきて、遂には怒りだす
「あんたは、どうして笑えないのかね、本当に無愛想ね」
無愛想。
私は、小さいころから、無愛想って言われてたから、もう、いちいち傷つく事はない。
「悠子は、笑ったら可愛いのに…。」
こんなにも、可愛げのない、私より、ずっと杏奈の方が可愛いよ。
杏奈は、私の友達。
いや、友達以上かな。
笑顔がめちゃくちゃ可愛くて、こんなに無愛想な私でも、仲良くしてくれる、性格もいいこ。
男女問わず、人気者。
だから、時々、思ってしまう。
こんな、人気者がこんな、無愛想な子と一緒に居て良いのかと。
パシャ
ぼーっと、してる間に写真を撮られてしまった。
「もう、杏奈ちゃん、あんたがいつまでも笑わないから、怒って帰ったよ。」
嘘…
杏奈は、私に対して怒った事ないのに…
何してんだ。
もう。
自分が嫌になる。


