Last Sound





いつも通り、エトーが教室に入ってきた。

その様子は本当にいつも通り、で。



「おーどうした?波瑠斗。

浮かない顔して」


教壇に立ったエトーとバッチし目が合う。



「…いや、別に」


そりゃあ浮かない顔もしたくなる、って。

だって…だって、エトー…


だんだんエトーの顔を見ているのが辛くなって、俺はついに机に突っ伏した。



なんだよ。

なんだよ、ほんとに。


なんでエトーは俺になにも言わなかったんだ。


『お前のせいで先生たちに怒られたんだぞ』

って、どうしてあのとき言ってくれなかったんだ。


確かに、俺に言ったところで何も変わらないかもしれないけど、

でも、だからって隠すなよ。


そうやって、1人で抱え込んで、終わらせようとすんなよ。


俺、エトーにそんなことしてもらうために巻き込んだんじゃないんだ。

純粋に、エトーに応援してもらいたくて。



……あーっ!もう!!

何がなんだか分かんねーよ!


エトーのバカ野郎!

カッコつけてんじゃねーって!



「…おい!エトー!!」