「ほら、あっただろ?

お前と朝陽が勝手に教室で爆音でギター弾いたこと。


俺の部活の仲間がたまたま目撃したらしいんだけど、


あの日、廊下歩いてたらデカイ声が聞こえてきたんだって。


なんなんですか!あれ!

って。


で、そいつ、気になったからちょっと覗いてみたらしいんだ。

そしたらエトー、いろんな先生に囲まれててさ」


…おい、マジかよ。

また、俺たちが原因でエトー、怒られたのか?



「そんで、今すぐ辞めさせてください!ってどっかの先生がエトーに言ったんだって。

そしたらエトー、もうすぐ終わると思うんでもう少し、待ってください、って必死こいて頭下げてたらしい。


よっぽど波瑠斗に報告しようと思ったけど、なんかできなくてさ。

きっと、エトーは波瑠斗にそんなこと知られたくないと思ってるろうし。


だから今まで言わなかったけど、

でも…エトー、ヤバイんじゃねーか?


職員室でいろんな先生とやりあって。

で、今度は校長だろ?


アイツの立場…たぶん、ギリギリだと思う」



…なんてバカなんだ。

エトーも、俺も。


そこまでして俺たちのことかばってくれなくたって良かったのに。

エトー、いい教師すぎるんだよ。


それに俺。

なんで気づかなかった?


俺のせいなのに。

俺の…俺の、せいなのに。




「おーい!みんな、早く席つけー!」