「…エトー」


次の日。

俺たちは4人全員揃って、職員室の前にいた。


そしてホームルームに行こうとしたエトーを呼びとめる。



「おう、波瑠斗。

どうした?」


「メンバー、全員揃えたから」


そう言うとエトーの目が大きく見開かれた。



「まさか1ヶ月で本当に全員集めるとはな。

じゃ、俺に紹介してくれ」


「まず、この人。

俺のクラスの担任、エトーな。


俺たちの味方だから。

しかもバンド経験あり。

担当はギター。

だけど、ベースもドラムもできる。」


「いや、だから俺はエトーじゃなくて、工藤だから」


そんな声はもちろん、スルー。



「あ、どうも」

と、楽。


「よろしくお願いします、エトー先生」

と、朝陽。


「エトー、すごいね」

と、澪。


よしよし。

『エトー』が定着してるぜ。


呆れたように溜め息をつくエトーを見ながら俺は笑いをかみ殺す。