「だけど…っ…」
真っ直ぐに俺を見つめる澪の目の端がキラリと光った。
「あたし…あたし、不登校なんだよ?」
「うん、それがどうした?」
不登校がなんなんだ。
明日から俺たちと一緒に学校へ来ればいい。
…仲間、なんだから。
「それに…父親に犯された」
「うん、知ってる」
だから、どうしたっていうんだ。
俺たちは軽蔑なんてしない。
だって、澪のせいじゃないんだから。
澪が、悪いワケじゃないんだから。
澪は被害者、なんだから。
「それに…母親は犯罪者…なんだよ?」
「それも、知ってる」
関係ないよ、そんなこと。
澪は澪だ。
母親が人を殺したからって澪が殺人者なワケじゃない。
「澪、もうやめようぜ。
そうやって親のせいにして、何もかもから逃げるの。
もう、今日で終わりにしようぜ」
明日からでいい。
明日からでいいから、新たな1歩を踏み出そう。
俺たち、3人がいくらでも力、貸してやるから。


