「いらっしゃいませ、みなさん。
あの子のお友達が来るなんて初めてなもので、何をお出ししていいのかわからないんですが…
どうぞ、これを。」
客間らしき部屋に通された俺たちは育ちのよさそうなおばあさんに手厚い歓迎をうける。
「あ、いや、お構いなく」
目の前には高そうな茶菓子と緑茶。
なんか…すごくね?
「今、澪ちゃん呼んで来ますね。
どうぞ、ごゆっくり。」
ニコッと笑っておばあさんは部屋を出て行く。
「ふぅー…
息苦しかったー…」
と、息つく俺に
「お前、絶対リーマンになっても上役にはなれねーな」
なんて言うのは楽だ。
「なんでだよ!
俺に出世は無縁、ってどーゆーことだ!」
「いや、上役くらいになるタマの人間はどんな相手でもドンッと構えてるもんなんだよ。
けどお前はずーっとビクビクしてる。
だから、上役にはなれねーって。」
「ふざけんな!
楽だってビクビクしてただろ!」
「まあまあ、落ち着いて、2人とも」
また結局朝陽に止められる俺たち。
うん、バカだな、俺も、楽も。


