「はい、おはよー
みんな席つい…てー…」
教室に入ってきたエトーの視線が後ろのロッカーを捉える。
そして少し目を大きく開いたあと、俺へ視線を向けた。
俺は視線を逸らすことなく、じっとエトーと見つめ合った。
はぁ…とエトーがため息をついたのがわかる。
そして俺と視線を外すと、連絡事項を伝えだした。
「はい、じゃあ今日もちゃんと授業受けるように。
で、波瑠斗。
覚悟して俺の後をついてこい」
クラス中の視線が俺に集まるがもちろん、気にしない。
だいたい覚悟なんてとっくにできてんだよ、エトー。
「お前も苦労すんな、波瑠斗」
後ろを向いた拓馬に同情される。
「新しいことを始めるのに苦労はつきものなんだよ。
これを乗り越えてこそ初めて達成感っていうのがうまれるんだから」
「なんか今の波瑠斗、輝いてんぞ」
拓馬はニヤッと笑う。
なんだか恥ずかしくなって
「何言ってんだ、バーカ」
なんて照れ隠し。
さて、いきますか。
エトーとの戦いに。


