Last Sound







『…そっかあ。

ユウは波瑠斗くんにそんなことまで話すのかあ…』


電話の向こうでふっと元カノさんが笑ったのが分かった。



『よっぽど、波瑠斗くんのこと気に入ってるみたいだね。

…だから、特別に教えてあげるよ。


だけど、ユウには言わないでほしいの』



「…分かりました。

俺の胸だけにしまっておきます」


楽とアイコンタクトを交わす。


何を聞いても、エトーに言わない。

そうお互いの意思を確認し合ったのだ。



『…実はね、私…今、おなかの中に赤ちゃんがいるの』


「……えっ!?」


楽も驚いたように目を丸くしている。


まさかその赤ちゃん、エトーの子じゃないから、

別れを選択したのか?



『あ、1つ言っておくけどもちろん、ユウの子よ』


なんだ…

安心した。


あれ?でも…


「ならどうして、別れたんですか?」


エトーの子ならなんの問題もないじゃないか。


別れるより、

一緒に子どもを育てていく、

っていうのが当たり前の選択なんじゃないのか?