「いや、それ俺も考えたけどさ。
むしろ、印象良かったと思うんだよ」
「自分で言うなよー」
楽がありえない、みたいな顔でエトーを見る。
「けど、マジでそんな感じだったんだって。
いろんな話して、お父さんとお酒飲んだりして。
だから余計、フラれた理由、分かんなくて」
エトーの表情が落ち込んでいく。
「ってか、別れるとき、理由聞かなかったワケ?」
「聞いたけど、教えてくれなかった」
なんてことだ。
それじゃあチンプンカンプンでも仕方ないな。
「じゃあ別れの言葉は?」
おいおい、楽。
少しは遠慮して聞いてやれよ。
「ごめんなさい。
不安なの…だから別れよう。
って、それだけ」
ごめんなさい?
不安なの?
「それってさ、エトーが頼りない、ってことじゃん?」


