「はぁー?

なんでキレてんだよー


波瑠斗が聞いたんだろ。

楽器やってるヤツいね?って」


「あ…ああ、そうだけど。

俺が探してんのはギターとかベース、ドラムやってるヤツなんだよ」


「…なぁ、もしかしてさ、バンド…組もうとしてる?」


「なんだよ?いけないか?」


なぜか拓馬の顔は怪訝そうで。

文句でもあんのか?コイツ。



「別にいけないとは言わないけど、

でも…俺ら、高3だぞ?

受験生じゃん。


なのにバンドって…」


「あーっ!?

それ、拓馬だけには言われたくねーし!


お前こそ高3のくせして部活ばっかりやってんじゃねーか。

俺と大差ねぇーだろ?!」


「え…まあそうだけど」


「で、お前のダチに吹奏楽以外で楽器やってるヤツ、いねーの?」


朝のうちに1人だけでも声、かけておきたいんだよ。

俺には時間がねーんだから。



「うーん…いるっちゃいるけど…」


「マジで!何組?!誰?!」


興奮して前のめりになる。



「え…あー…5組のカザマ アサヒ…」


拓馬の歯切れの悪さが気になったが

俺は教室を飛び出し、5組に向かっていた。