それから俺たちは考えに考えた。

どれだけの時間、頭を抱えていたか分からない。


そんなある日。



「あの…お知らせが」

美雪が俯き気味に部室に入ってきて。



「やっぱり…ステージ演奏はダメだそうです…」


はあ…

どこからともなく特大の溜め息が聞こえてきた。


いくら分かっていたことでも

さすがにヘコむ。



「丸山と学際実行委員と生徒会で散々協議して、

会長も頑張ってくれたし、

生徒のほとんどは賛成でした。


でも丸山が


認めない。そんなことは絶対に。

そればっかりで。


結果…ダメでした。

会長が力不足で申し訳ない、って言ってました」


誰も会長のせいだなんて思ってない。

むしろすげぇ、感謝してるんだ。



「………ああああー!!

マジでなんかいい案ねーのかよっ!」


むしゃくしゃして。

思い切り叫ぶ。


だけど叫んだからってなにか案が浮かぶワケもなく。



…ここまで、来たのに。


メンバー集めて、

バンド組んで、

気持ちいい演奏して、

軽音部…作れたのに。



なんでここまで来て、

こんなデッカイ壁が俺たちの前に立ちはだかるんだよ…