「おしかったなー、波瑠斗。
お前の、2票集まったのにな」
あれから女子軍団は帰ってしまい、
部室に残ったのは俺と楽とエトー。
「え?!やっぱあれ、波瑠斗のヤツだったの?」
「そうそ。
楽が選んだの、波瑠斗が作ったんだよ」
楽は俺の顔をじーっと見つめる。
「なんだよ。
言いたいことあるなら言えよ」
「いや、別に。
ただあんな詞をお前に書けるとはなーって」
「はあ?!バカにしてんだろ!楽!!」
興奮する俺をあざ笑う楽。
なんだよ!その余裕なカンジ!!
「ま、でもまさか、楽があんな詞、書くとは思わなかったよ」
俺は鼻でフッと笑う。
すると急に楽の顔が真っ赤になって。
「なーに照れてんだよ?
俺たち5人の中で唯一、恋愛モノの歌詞を書いた、楽くん?」
「ど、どうしてそれを…」
やっぱり。
楽の反応を見て俺の予想だった答えが見つかった。
あの切ない恋愛の詞…
…タイトルは【I need you】
あれを書いたのは楽だったんだな。


