「他のもいい線行ってるとは思うけど。
でもイマイチ、インパクトにかけると思う。
まあ初めてだし仕方ないと思うけどな」
エトーは全部の紙を俺に返した。
「ま、みんなで相談して決めろよ。
決まったらまた教えて」
「おう、分かった」
じゃ、と言ってエトーは部室を出ていく。
にしてももしこれを本当に楽が書いたのだとしたら、
アイツ、相当惚れてんな。
……え?
楽が誰に惚れてるか、って?
あれ?前に言わなかったっけ。
『だってさ、楽、今までにないくらい優しい瞳で澪を見つめていたんだ。』
って。
まあでもこれ、俺の予想だし、
当たってるとは限らないけど。
だけどこれを楽が書いたのだとしたら、
澪、めちゃくちゃ愛されてる、ってことだな。
いいなあ。
俺も誰かにそんなふうに愛されてみたい。
なーんて、男が言ったら気持ち悪いか。


