「奇遇だな。
俺と同じ意見だ」
俺の前に置かれた詞は
俺も1番だと感じたもの。
「これ、書いたの誰か分かるんだ、俺」
筆跡は知らなくとも、分かる。
今、この詞を書けるのは多分、俺たちの中じゃアイツだけだ。
「そうなの?
でもどうせ、女の子の3人の誰かだろ?」
「…違うよ」
「…え?…えっ?!」
そりゃあ、誰だって女の子が書いたと思うよな、この詞。
もろ『恋愛』を綴ったものだと思うし。
だけど、違うんだ。
「これ、書いたの、楽だと思う」
あくまでも予想だけど。
でも、今『恋』してるアイツにしか、
この歌は書けないと思う。
「…そうか。
アイツ、今、好きなヤツがいるんだな」
エトーはそう言ってふっと笑う。
多分、楽は自分の好きな人へ向けてこの歌を書いたんだと思う。
だからこそ、読みんだ瞬間、鳥肌が立ったんだ。
『恋』したことのある人間なら、
誰でも感じる、
共感できるこの詞。
俺は…この詞に音をつけたいと思ったんだ。


