「なあ、マジでバードの妹?」
「はい、マジです。
高校の文化祭でのステージ、見てました。
だから工藤先生をここで見たとき、ビックリしましたもん」
「あのさ、エトー。
まずなんでバード?」
さっきから疑問でならなかった、美雪の兄貴の呼び名。
なんかダサくね?
「はあ?そんなん苗字に鳥、ってついてるからに決まってるだろーが」
「安易だなー…」
俺のそんな言葉にエトーはムッとした顔をしていたが美雪と向き直る。
「バード、元気にしてる?」
「はい、それはもう元気すぎて困ってます」
エトーと美雪はすっかり打ち解けていて。
なんだか俺たちは置いてけぼりくらってる状態。
「あ、そうだ、波瑠斗。
美雪、絶対歌うまいぞ」
「はっ?なんで?」
「美雪の兄貴のバード、ボーカルだったんだ。
最高に歌がうまかったんだよ、マジで」
そりゃあ期待できるな。
「よし、分かった。
歌聞いてから正式に判断するけど、
とりあえる美雪をボーカルとしてうちのバンドに入れる。
誰か文句あるか?」
「文句なんてあるかよ。
ちょうど、ボーカル探してたんだ。
大歓迎だろ」
楽のその言葉にみんな頷く。
「じゃあ、よろしくな、美雪」
「はい!こちらこそよろしくお願いします!!」


