「…楽!澪!!」


1組のドアを思い切り開けて叫ぶ。



「おい!なんなんだ、キミ達は!」

これまたお叱りを受ける。


だけどそんな声、俺の耳に届いていなかった。



「波瑠斗?どうしたんだよ、そんな息切らして」


楽が怪訝な顔をする。

息だって切れるさ。


だって俺、今、どうしようもないほどに興奮してんだから。



「軽音部…正式に部として認められたんだ」


しばらくの間、沈黙が流れた。

だけど



「…よっしゃー!!!」


という楽の大きな声によって沈黙は破られた。


クラスでも応援してくれたヤツがたくさんいたのか

信じられないほど盛り上がる。



「マジ?!マジなの?!波瑠斗!」


駆け寄ってきた澪。



「マジだ。

こんな冗談、言えるかよ」


ニヤッと笑うと澪は満面の笑みになって。


4人全員顔を見合わせて大声で叫ぶ。



「「「「よっしゃー!!!!」」」」



俺たちの声は

ホームルーム中の静かな校舎に木霊した。