Last Sound






「…はあ、知ってたのか。

ならもう隠さないよ」


諦めたように力なく頭を横に振るエトー。



「波瑠斗の言うとおりだ。


お前らがギター弾いた日。

やめさせようとしたいろんな先生たちを止めた。


それに昨日。

確かに校長に怒鳴られた。


でも、だけど、それはお前の代わりに俺が怒られたんじゃない。

ただ、自分のせいで俺が怒られたんだ」


エトーは真っ直ぐに俺を見つめて、そう言い切った。



「いや、だけど全部、俺のせいじゃんか。


俺がギター弾かなければ、エトーが何か言われることもなかった。


…だいたい、おかしいと思ったんだ。

誰もなんで教室に怒鳴りこんでこなかったのか、って。


本当なら、教室に怒鳴りこみにきた先生に俺は怒られるはずだった。

だけど、エトーが止めてくれたから。

だから俺は、怒られずにすんだんだ。」


エトーが俺と朝陽を守ってくれた。

もう俺はエトーに頭が上がらないよ。



「だから、そうじゃないんだってば。


純粋にお前らの音を俺が聞いていたかったから、

だから他の先生たちを止めたんだ。


お前のせいなんかじゃないんだ、波瑠斗」


なんでだよ…!

なんでだよ、エトー。


なんで、分かってくれないんだよ…