「で、なんの用なんだ?」
いつもの場所…それは生徒指導室だ。
いつの間にか、ここでエトーと話すことが当たり前になっていた。
「エトー、ちゃんと俺に言ってくれよ」
「はあ?なんの話してるんだよ」
「だから、エトーが俺たち…いや、俺の代わりにいろんな人から怒られてる、ってこと、ちゃんと俺に言ってくれよ」
エトーがハッとした顔になってすぐに笑い飛ばす。
「バカ言うなよ。
俺がお前の代わりに怒られる?
そんなこと、1度もねーよ」
エトーはいいセンセイ過ぎるんだ。
だから…ムカつく。
「バカ言ってんのはエトーのほうだって。
俺、全部知ってんだから。
俺と朝陽が爆音でギター弾いた日。
エトーが職員室で他の先生に文句言われて、
それでも俺たちのこと、かばってくれたんだろ?
それに昨日。
校長に怒鳴られたんだろ?
監督不行き届きなんじゃないか、って」
俺の言葉を聞き終えたエトーの表情は変わらない。
ただじっと俺を見つめている。


