壮吾に見つめられて、私も壮吾を見つめ返して。
ドクン、ドクンとうるさい心臓。
ゆっくりと、壮吾の顔が近づいてくる。
く、くる……。
私が目を閉じたのと同時、二人の唇が軽く触れた。
柔らかくて、温かくて。
ほんの一瞬だったけれど、私のファーストキス。
最高のシチュエーションで、大好きな人とのキス。
こんなに幸せでいいのかな。
壮吾の顔が心なしか赤く見えるのは、夕日のせい?
「な? 乗っといてよかっただろ?」
壮吾の声がいつもより甘く聞こえて、私は恥ずかしさを隠す為に壮吾の胸に顔を埋めた。
ハハっと笑う壮吾が、私の頭を撫でてくれる。
最高の一日。
最高の思い出。
高鳴ったこの鼓動は、簡単にはしずめられなかった。
4月25日。
新しいスケジュール帳に、壮吾との記念日が記された。
赤ペンで
『壮吾と遊園地で初デート』
その横には、小さな文字で、ファーストキス――と。
私の忘れられない日。