「…ふぁい。」 半分寝ぼけつつ着信に出る。 「あ、雫?」 えーっと。 この透き通った低い声は…。 「中村くん?」 「ん。そのアホな感じの声、まだ寝てた?」 ギクッ。 何でわかっちゃうのかな。 そんなに寝ぼけた声だったのかな。 「まあ、いいけど。雫さ、今から話せない?」 …今から……話せない? その言葉が頭の中でエコーする。 「雫?」 「行きます行きます!!」