「んーおいしっ」
口の中で甘く溶ける生クリーム。
そしてふわふわのスポンジ。
流石お金持ちが買うケーキだなー。
「で、役割を決めたくて。」
「役割?」
美優の言葉に首を傾げる。
「そ。掃除とかご飯作る当番とか。」
ああそっか。
居候させてもらうんだからそれぐらいやらなきゃね。
ん?でも……
「今まで美優はどうしてたの?」
尋ねると、俯きがちに
「掃除はできるけど食事は…外食とか。」
と、答えた。
「毎日外食!?」
それってすごく体に悪いじゃんっ。
「お前、料理もできないのか。」
私の向かいに脚を組んでコーヒーをすすっている雨宮くんが冷ややかに笑う。
「うっうさいなー!亮也だってできないじゃん!」
「は?それぐらいできますけど?」
「うーそーだっ!どーっせ可愛いメイドさんに作ってもらってんでしょ?」
「メイドが料理なんてするかよ。」
「ムキーっ!!」
や、やばい…
またこの2人(特に美優)ヒートアップしてません?
「だーかーらっ!」
「もーっストップ!私が料理担当するからっ」
と、口走ってしまった。

