そっとなるべく気付かれないように歩く。


『あれ…?』


さっきまで離れて居たから誰か気付かなかったけど、フラレてしまった男の人は、バスケ部の有名な先輩だった。


明るい、琥珀色の髪に、横顔からでも分かる通った鼻筋に大きめの目。

つまりイケメン。

校内試合があるたびに女の子に騒がれるのが分かる。

でも、私が見たことのある先輩はいつも明るくて笑顔ってイメージ。

特にファンとかって訳でも無いけど、友達に誘われて行く試合で目にするときはいつもそうだから。

なのに、今日は本当に悲しそうに遠くを見つめてて…なんだか私まで胸が傷んだ。


そして気づいたら……