でも初めて2人で食べる昼飯は美味しかったし、やっぱり楽しかった。

あいつの笑顔見てたらさっきの嫉妬心全開の汚い心も澄んでいく気がする。


会話をあまりふってやれなかったけど、菜穂が目の前にいるだけで落ち着いた。



屋上に行く時、俺は菜穂の手を取った。

いつも強引に掴んでたけど今日は、今回は繋いだ。

互いの指を交互にして。


嬉しそうに笑う菜穂を見て、周りに俺らのことバレないようにしてたけどもういいやって思った。

バレたら男はあんまりよってこないだろうし。

相手が俺だし、勝てるやつはそうそういないだろうし。

変な女に手出しなんて絶対にさせない。


守ろう。

この手を離したくないと思った。



手始めにいい具合にすれ違った吉岡に言った。


不機嫌丸出しの吉岡。

さっきの俺と同じだな。

というか逆だな。


でも屋上で吉岡が菜穂のことが好きだということがわかって、そして告白されそうだったからなのか、アイツのこと考えてる菜穂にまた嫉妬心が膨らみ始めた。


そしてムカついて独占したくて思わず抱きしめてしまった。

俺の心臓?

菜穂の心臓?

いや、たぶん両方だ。


鼓動が早くなってるのがわかった。

菜穂は完全に固まってた。

俺が何を言っても無反応。



もう我慢が出来ずキスをしてしまった。

独占したかった。

俺のことばっかり考えて欲しかった。


ワガママだけど、ヤキモチばっかりな男だけど菜穂の頭を俺でいっぱいにしたかった。


奪ってやった、ファーストキス。