今朝の天気予報では、雨なんて一言も言ってなかった。

午後の授業が始まる頃から、窓の外には鉛色の雲が広がり始め、嫌な予感はしていたのだ。

学校から駅まではちょっと距離があって、降られたら困ってしまう。

なのに空の神様というのは相当に意地が悪いらしい。

駅までの道を3分の1ほど歩いた辺りで、とうとう空は泣き出してしまった。

「ひゃあああ!」

「何これひどーい!」

私と数人の友達は、口々に恨み言を言いながら走る。

あっという間の土砂降り。

にわか雨と言うには、あまりにも強い雨脚だった。