涙の宝器~異空間前編




黙秘−−−−






ここはどこだ………??




体は異空間を進んでいた。


首から下を見ると、体のあらゆる箇所から大量出血していた。




先の方に大きな光が見える。


無重力のかかった体は、みるみるその光の方へと吸い込まれていく。



光に近づくにつれて、血が引いていくのを感じた。


その光はとても温かみがあって心地がよかった。


そのせいもあってか、瞼は自然に開くのをやめた。


もう何かを考える事さえしなくていい、そういう感覚に陥る自分をも許せてしまえたんだ…………