涙の宝器~異空間前編


俺は急降下を始めた。


腕を伸ばした事で俺の姿は丸見えになり、逆にスピードがぐんと上がった。
猪は全く気づいていない。
俺は確実に狩れると確信した。



「ぐあっ!!」


俺は猪を目前に何かに接触したせいで、バランスを崩して落下した。

(何だ!!?)



あまりの衝撃に俺の視界は三重にブレた。
意識がはっきりするのに時間がかかった。
俺の目はブレながらも衝突した何かを捉えた。
段々と視界が戻り始めると、その姿は確認できた。


そこに居たのは宮辺原哲章だった。