そして、「俺。女房に愛されてないと思うんだ。」

と 言った。



どきっとした。



そんな 恐くて…。
かつ、大事を言うなんて…。



なんと言っていいか、言葉が出ない…。


佐々木さんは、
「女房は、夢を かなえたかっただけなんだよ。
彼女の夢は、子供が沢山いて、車が二台あって、犬がいる、庭付きの一戸建てに住む、明るい家庭だったんだと思うんだ。
そして俺は、その夢をかなえる為には、必要な人材だったんだよ。」


と続けた。


「なんで そんな、悲しい考え方をするの?」

と聞くと、

「そんなの。女房を見てれば分かるよ。結婚する前には、どんな話でも、興味深けに気いてくれたのに。
今じゃ、俺に 興味のかけらもないんだよ。