そして その動揺が 私を 掻き立てる。

そうだ。
こんな事は、そもそも いけない事なんだ。
もうやめた。
もう 知らない。


と、忘れようとすればする程、
私の頭は、佐々木さんで いっぱいになっていくんだ。



塩キャラメルみたい…。


キャラメル味だけでは さすがに甘すぎるから、
どこかで 手がとまってしまうお菓子でも、
今、流行りの、塩キャラメル味は違う。
キャラメル味の中に、塩味が、いい具合にきいていて、
甘いキャラメル味を、止まる事なく、食べてしまう。
そう。
だから、ついつい、食べ過ぎてしまうんだ。


決して、目にすることはない、佐々木さんの家庭は、
あたしに とっては いつも しょっぱい存在だ。

この人には 帰る所がある。
奥様との時間がある。
という 嫉妬心は、
確実に 私の闘争心を かきたてているのだろう。