でも 佐々木さんは 違う。

今、こうして、話をしている瞬間だって、佐々木さんに 犯される事を想像している私がいる。

目の前にある、佐々木さんの肉厚な手は、血管が浮いている。

私には、それを見るだけで、
その 体温が 想像できてしまう。
その、
少し乾いた、皺の感触まで、
想像してしまうんだ。


だから 分かる。

佐々木さんが
『女房を 女として 見れない』
『身内を 抱く気に ならないだろう?』
と 言っているのが、 よく分かる。


でも、
ここで 頷いてしまうと、
私の 欲情した気持ちまで 見透かされそうで…。

そして、 そんな 女性だと 軽蔑されそうで…。

私は それ以上、どう 答えたらいいか、迷っていた。