「ちょっ、お前、どうしたんだよ?」 蓮の問いかけに欄は顔を上げた。 「振られたぁ」 「はぁ?なんで」 欄は唇をかみ締めて言う。 「二股よ?信じらんない!このあたしをっ!」 蓮はあきれたようにため息をついた。 「お前ねぇ」 「しかもダブルブッキングよ!イブの夜に!」 蓮の言葉をさえぎり欄が叫ぶ。 さすがにかわいそうになり、蓮は欄の頭を撫でた。 欄の顔がとたんに崩れる。 「蓮~、慰めてよぅ」 甘えるように欄は腕を体に絡ませた。 けれど蓮は小さくため息をついてその腕を優しく解いた。