「蓮!」


その声に振り返った瞬間。


-ドンッー


衝撃を覚え、胸元を見ると見たことのある髪。


「欄?」


欄は蓮を見上げて、そのまま胸に顔を埋めた。

涙で濡れた顔を・・・。


蓮はすぐに改札口を振り返ったが、そこには美優の姿はなく、ホッとするように息を吐いた。


見られていたのも知らないで・・・。