AVENTURE -君の名前を教えて-

なに、王子様が一人暮らししたりするのって普通なの!?
私がおかしいの!?


「ほんとに…アヤ、王子様、なの?」

恐る恐る聞くと、チカは小さく頷いた。

「嘘だ…だって、アヤはそんなこと一言も…」

あんなお祭りのときにナンパしてくるようなやつが…
部屋の片付けもできない、ゲーム大好きな奴が…


『俺に好きな人ができたら、婚約は解消していいはずだろう?』


結婚は好きな人とするもんだと思ってた。
政略結婚なんて、今時って思った。


『俺を助けろ』


アヤがそう言うってことはたぶん。
この結婚は、アヤは乗り気じゃない。


だから私は(軽い気持ちだったけど)手伝おうと思った。


でも。


相手が一国の王子様となったら話は別。


素性も得体も知れない女をいきなり連れてきたら誰だってびっくりするし、しかも知性も品性もないとくれば…


「私、ただのピエロじゃん」


気がつけば、涙がこぼれていた。