AVENTURE -君の名前を教えて-

「ほたる、紹介するよ」

ぽんぽん、と私の頭を優しく撫でるアヤ。

(大丈夫、心配するな)

アヤは小さくそう呟くと、私の手をそっとにぎる。


逆だよ、これじゃ。


アヤのためにここにきているはずなのに、正直、私がここに居る理由も、意味も。
なにもないような気がした。


「順番に、俺の祖父母、それから両親。姉に、その婚約者」

私ははっと我に返る。
順番に紹介されて、私は小さく頭を下げていく。

「こちらはシエラの両親だ」

当然のことながら、シエラの両親は厳しい眼差しを私に向けてきている。
私は小さく頭を下げながら、深呼吸を一つする。


…とにかく、私はちゃんと、アヤの『彼女』でいないと。


きゅっと唇を結び、私はにっこりと笑って顔を上げた。