AVENTURE -君の名前を教えて-

アヤと一緒に入った部屋には、シエラの他に、シエラとアヤの両親らしき人と、上品な雰囲気の漂う老夫婦。それから、昨日アヤを呼びにきていた女性と、少し気の弱そうな男性がテーブルを囲んで座っていた。

「(アヤ、やっと戻ってきたか)」

アヤに似た男性が、にっこりと笑って言う。

「(早く席に着きなさい。みんなあなたを待っていたのよ?)」

その隣に座っていた女性がくすりと笑って続いた。


…ヤバイ。完全に何言ってんのかわかんない。


帰りたくて仕方が無い私をよそに、アヤは私の手を取ったまま、席までエスコートする。


帰ることはできないってことよね。


皆の眼差しが痛い。それに、どうしたらいいのかわからない。どう考えても自分はこの場に不釣合いだ。

しかしそう思っているのに、その場から離れる勇気も無くて、私はアヤにエスコートされるまま、テーブルのそばに立った。

「(紹介します。俺の恋人です)」

「(はじめまして…)」

自分のことを紹介されたことは分かったので、自己紹介をしようとして、ふと、アヤが私のことを『ほたる』と命名したのを思い出す。

「(ほた……雨宮ほたるです)」

ぺこりと頭を下げて頑張って自己紹介をした。


適当に言っちゃった…
ばれたらまずい、よね…?


そっと頭を上げる。
アヤはにっこりと笑っていた。