AVENTURE -君の名前を教えて-

また、ぼぉっとシエラを見つめていると、今度は別の人の声がしてきた。

「シエラ様」

今度はいかにも執事といった風体の知らない男の人が、、シエラの後ろで恭しく頭を下げていた。

「奥で奥様と旦那様がお待ちです」

言われてシエラは小さくため息をつき、わかったわ、と小さく答えた。

「アヤ、いつもの部屋で待っているわ。あなたのお父様とお母様もお待ちよ」

そういうと、私の方を見てにっこりと笑った。

「セバスチャン。彼女、アヤの恋人ですって」

言われて私は慌てて頭を下げた。

「名前…あら、名前。まだ伺っていなかったわ」

シエラが少し苦笑しながら言う。

「彼女の名前はほたるだよ」


え…?


私が自己紹介をするよりも先に、アヤがにっこりと笑って答えた。

「ほたる。可愛らしい名前ね。さ、あなた達も早く来たほうがいいわよ」

そういって、アヤは踵を返して屋敷の奥へと戻って行った。

「失礼致します」

セバスチャンは小さく頭を下げると、そのままどこかへ去っていった。