AVENTURE -君の名前を教えて-

それはどう考えたっておかしいとしか思えないんだよね。


一人うんうん、と頷いていると、チカがアヤにぼそぼそと何かを呟いた。

「わかった」

アヤが小さな声で答える。


何の話してるんだろ。


首を傾げていると、アヤが1足のサンダルを差し出してきた。

「それに履き替えろ」

「なんで」

「…その服にスニーカーは似合わないだろ」

「あぁ…」

おしゃれにばっちり決めてある私の今のコーディネイトの中で、唯一自分の持ち物であるスニーカーが、まるで異物のように見えた。


確かに、変。


アヤに言われて、差し出された黒のウェッジソールサンダルを履く。
自分の持ち物がこんなに変に感じるなんて。
ショックを隠せず、うなだれていると、アヤがすっと私の目の前で跪き、すっと手を出してきた。

「では、行きますよ。姫」

一瞬、目の前で何かが弾けたような気がした。


「…え?」

少し驚いたような顔をすると、アヤはうん?と首を傾げてきた。

「お手をどうぞ」

優しく微笑むアヤに、私は少しドギマギしながら、そっとアヤの手に自分の手を重ねた。