…言わなくて良かった…
手に持っている鏡を覗き込んで本気でそう思った。
こいつ、一体何者?
実はこの国じゃ有名なカリスマ美容師とか?
なんにせよ、私なんか足元にも及ばない。
一瞬、鏡に映った人物が誰かわからなかった。
化けて粧とはよく言ったものだと、自分でも関心してしまった。
自分がココまで変わるなんて思わなかった。
「化けたな」
アヤがくくっと小さく笑いながら言う。私はむすっとした表情で、小さく、うん、と呟いた。
悔しいけど。
ホントに私もそう思うもん。
からかわれているというか、馬鹿にされているというか。なんにせよ、笑われていることに対して少しばかり切なくなり、特大のため息がまた出そうになる。
「でも、何でこんなことしてるの?」
とりあえず、すごく疑問だったことを聞いてみる。
昨日お風呂入ってなかったし、逃げ回ったりして汗かいたのもあったし、シャワー勧められたのはわかる。
(だって私も入りたかったし)
お風呂に入った後だから、新しい服を用意してくれたっていうのもわからなくはない。
(ま、普通ありえない気がするし、用意されてたものはまず絶対にありえない服だったけど)
でも、その後にヘアセットにメイクまでって。


