AVENTURE -君の名前を教えて-

「あ、トラン。こっちは私の友達で、千尋って言うの」

「あら、なかなか男前な顔した娘ね。はじめまして」

にっこり笑うトラン。
差し出された手を、千尋は震えながら握った。

「よかったら、うちの化粧品、是非使ってみてね?品質は保証するわ」

トランの言葉に、千尋はガタン、と椅子に座りこんだ。

「ほ…本物のトラン…」

騒ぎに気付いた周りの生徒たちが、一斉にこっちに注目してきた。

「やだ、私ってばすっかり有名人じゃない」

そういって、また、トランが抱きついてきた。

「あはは、そりゃそうだよ。だって、トランの顔はもう、世界中に知れ渡ってるんだから」

そう言った時だった。