AVENTURE -君の名前を教えて-

「何を暗い顔をしてるんだ?」

アヤがピシッとおでこを叩いた。

「いた!何するの…」

嬉しそうに笑いながら、アヤはほら、と服を私に渡してきた。

「これ…?」

「俺が見立てた服だ。着てみろ」

言われて私は、洋服たちを受け取ると、試着室に入った。


アヤと私、恋人同士でいてもいいのかな。


ジーンズを脱ぎ、上に着ていたポロシャツも脱ぐ。


でも、私は明日、日本に帰らなきゃいけない。


渡された服を手に取り、ふと、鏡に映る自分を見た。


日本に帰ってしまえば、すべては夢だったと。
そう、思うしかない。
だって、もう二度と、アヤには会えないかも知れないんだから。


昨日はあんなことを言ったけれど、私はしがない大学生で、一般人で。
常識で考えれば、アヤの彼女だなんて、ありえないし、誰が信じる?誰が認める?