AVENTURE -君の名前を教えて-

「本当に…お礼なんていいのに」

ため息混じりに言うと、トランはじっと、アヤを見ながら言った。

「私のことだけじゃないの。アヤも…私のかわいい弟も、あなたは救ってくれたから」

「え?」

「…私のせいで、弟はとばっちりをうけたようなものだから。でも、あなたが弟も救ってくれた。結果、あなたには迷惑をかけてしまう形になってしまったけれど」

トランは続けた。

「…日本には、いつ、帰るの?」

聞かれて、私ははっとする。


そうだ。
この楽しい時間も、今日まで。
私にかけられた魔法は、明日で消える…


「明日、です」

「あなたはこれから、どうするの?」

聞かれて私は俯いた。

「…私、まだ学生ですし、親に養ってもらっている身だから。とりあえず、大学を卒業して、就職して…」

その先を、口にすることができなかった。