AVENTURE -君の名前を教えて-

「ちょっと!アヤ、もういいよ!」

「いや、駄目だ。こっちの洋服も」

「アヤ様、それならばこちらのカーディガンもご一緒のほうが」

「なるほど、だが色合いとしてはこっちの方が俺の好みんなんだよな」

「でしたら、こちらのインナーをこのお色に変えられて…」

トランの一言が、アヤに火をつけた。

「私がした昨日のコーディネート、最高にかわいかったわ」

昨日の私の服のコーディネートを、トランが行ったことが引っかかっていたのだという。

「俺の方が、絶対にかわいいコーディネートをしてやれる」

そう言うと、店内のありとあらゆる洋服や靴、バッグに小物を見て回り、すでに小一時間ほど、店員さんとああでもない、こうでもない、と、私の服を選んでいるのだ。

「我が弟ながら、あいかわらず単純よねー」

くすくすと笑いながら、その様子を見るトランに、私は恨めしそうに言った。