AVENTURE -君の名前を教えて-

「君の事は今でも好きだよ、もちろん」

トランはじっと、シエラを見据えて言う。

「だけどそれは、友人として、だ」

その言葉に、シエラはふん、と鼻で笑った。

「都合のいい言葉よね。『友人として』。そんな言葉、聞きたくなんか」

「いや、聞いてもらう」

トランはゆっくりとシエラに近づく。

「シエラ。もう、君も薄々は気づいていると思うが、俺は、女性を愛することはできないんだ」

その言葉に、会場中が一瞬、静まり返った。

「確かに、好きな人はいるよ。君じゃない。でも、相手はもちろん、女性じゃないんだ」