AVENTURE -君の名前を教えて-

「だけど彼は。自分は王位を継げない。自分にはもっと他にすべきことがある。そう言って、私の前から姿を消した」


あぁ…そうだったんだ。
シエラの好きな人って…


「彼と一緒に居られないのなら、他の誰と一緒になったって私には同じこと。たとえそれが、望まない結婚だったとしても!」

シエラの言葉に、胸がチクリと痛んだ。

「…婚約はそのまま継続され、彼の弟である、あなたと、今度は婚約をすることになった。だから、私はそれを受け入れた」

「でも、俺はそれを拒んだ」

アヤの言葉に、シエラは笑った。

「えぇ、そう。トランは姿を消し、あなたは学校へ逃げた。しかも、学校を卒業するまでに恋人ができた場合には、この婚約を解消するっていう条件をつけて、ね」