AVENTURE -君の名前を教えて-

アヤがマイクを持って、何かを話している。
当然、その内容は英語だったため、何を言っているのかはわからなかった。

だが、会場内の騒然とする様子を見て、アヤが今、何をしゃべっているのか。なんとなく想像がついた。

「アヤ!」

会場から姿を消していた、カトレアが、血相を変えて会場内に入ってきた。

「(あなたは一体、何をしているのです。悪ふざけもいい加減になさい)」

「(お言葉ですが、俺は至って真剣なのです。そもそも、シエラとの婚約も、俺が学校を卒業するまでに、恋人ができなければという約束だったはず。それを反故にしたのはカトレア様、あなただ。ならば、俺にも実力行使に出る権利くらい、あるはずです)」

「(わかっているのですよ。あなたとその娘が、恋人同士ではないことくらい。あなた達、知り合ってまだ数日でしょう)」

「(わかっていないのはあなたです。言ったでしょう。彼女は俺の、大切な恋人だと)」